Joel Ross
NOTE

Joel Rossの3つの顔

Joel Ross

Episode:鉄琴じゃないらしい

ヴィブラフォンという楽器は、叩いた瞬間に音が揺れ始める。Joel Rossはその揺れを武器にして、23歳でBlue Noteからデビューした。この3曲で聴けるのは、リーダーとしてのRossと、Makaya McCravenの世界に呼ばれたサイドマンとしてのRoss。同じ楽器、同じ人間から、まったく違う音が出る。

Track 1Entry
聴き始めに
KingMaker
KingMaker

母親に捧げたタイトル曲。3拍子のワルツで始まり、バンド全体がドリーミーに揺れる。途中で突然フリーファンクに崩壊して、また静かにワルツに戻る。この「崩れて戻る」構造が、きれいなだけじゃない親子の関係を音にしたように聴こえる。のアルトサックスが、Rossのヴィブラフォンとずっと対話している。この二人は同世代で、お互いのアルバムに参加し合っている盟友。

Track 2Deep
深く潜る
Universal Beings
Young Genius

が世界4都市で即興セッションを録音し、後からビートを再構築したアルバム。RossはNY Sideに参加している。KingMakerでは6分間ずっとRossのヴィブラフォンが曲の骨格を作っていたが、ここではMcCravenのビートの隙間に音を置いていく。前に出ない。でもRossの音が入った瞬間、空気の温度がふっと変わる。

Track 3Connect
連鎖へ
Deciphering the Message
Deciphering the Message

がBlue Noteの過去のカタログから音源を引っ張り出して、自分のバンドの演奏を重ねて再構築したアルバム。原曲はスタンダード「Autumn In New York」だが、McCravenの手を通すとまるで違う曲になる。はここでもヴィブラフォンで参加していて、Blue Noteの歴史の上にRossの現在が重なる瞬間が聴ける。Track 2とあわせて、RossがMcCravenの作品に2回呼ばれていること。「また呼びたい」と思われるミュージシャンであること自体が、ひとつの実力の証明。

このNoteに登場した音楽家

Episode
鉄琴じゃないらしい
図書室ユイ × ソウタ
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