Jaco Pastorius
NOTE

Jaco Pastoriusが呼ばれた場所

Jaco Pastorius

Episode:コウのテンポでいい

1976年、Jaco Pastoriusは25歳でソロデビューアルバムを出した。同じ年、Pat Methenyのデビューアルバムにサイドマンとして参加した。翌年、Weather Reportに加入して「Birdland」を録った。この3曲は全部1976〜1977年に集中している。たった2年の間に、ソロ、サイドマン、バンドメンバーという3つの立場でベースを弾いている。どの椅子に座っても、出てくる音でその場の空気が変わる。

Track 1Entry
聴き始めに
Jaco Pastorius
Donna Lee

ビバップのスタンダードをフレットレスベースで弾く。伴奏はDon Aliasのコンガだけ。2分27秒。BPM約216。ベースという楽器がこの速度でメロディを弾けるということ自体が、当時は事件だった。ベースの役割は普通「支える」ことだが、ここではベースが最前線に立っている。しかも音がただ速いだけじゃなくて、フレットレス特有の滑らかさがある。音と音の境界が溶けている。

Track 2Deep
深く潜る
Heavy Weather
Heavy Weather

Donna Leeの翌年。はここではバンドの一員としてベースを弾いている。のシンセサイザーとピアノ、のサックスの間に入って、ベースが曲のグルーヴを底から支えている。Donna Leeでは一人で全部やっていた人間が、ここでは他のメンバーに場所を譲りながら、要所でフレーズを差し込む。ワンテイクで録ったと言われている。Jacoのベースが入った瞬間にWeather Reportのサウンドが一変したことが、このアルバムの商業的成功の一因。

Track 3Connect
連鎖へ
Bright Size Life
Bright Size Life

Donna Leeと同じ1976年。のデビューアルバムのタイトル曲にがベースで参加している。Weather Reportの重厚なサウンドとはまったく違う。MethenyのアコースティックギターとJacoのベースが軽やかに絡み合う。Jacoはここでは前に出ない。Methenyのメロディの後ろで、ベースラインが曲の輪郭を静かに描いている。同じ年に、Donna Leeの超高速ソロとこの繊細な伴奏を同じ人間が弾いている。呼ばれた場所ごとに、弾き方が根本から変わる。

このNoteに登場した音楽家

Episode
コウのテンポでいい
ジャズ研リク × タイガ × コウ
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