鉄琴じゃないらしい
放課後の図書室。二人並んで座ってる。片耳ずつイヤホン分けてる。
ユイ 「この曲、お母さんに書いた曲なんだって」
ソウタ 「へえ。……そう言われると確かにそういう感じする」
ユイ 「なんか、抱きしめてるみたいなワルツじゃない?」
ソウタ 「ああ。踊るワルツじゃないね。揺らしてる感じ」
ユイ 「そう。ゆりかご」
ソウタ 「ゆりかご、いいね」
ユイ 「でも途中からちょっと崩れるじゃん」
ソウタ 「うん、急に自由になるとこ」
ユイ 「あそこ好き。ずっと丁寧だったのが一回ぐちゃってなって、また戻る」
ソウタ 「……それがお母さんへの曲ってのがいいよね」
ユイ 「なんで」
ソウタ 「きれいなだけじゃなくて、ぐちゃってなるとこも含めて、みたいな」
···ユイ 「……私お母さんにこういうの書けないな」
ソウタ 「曲じゃなくても、手紙とかでも無理?」
ユイ 「無理。恥ずかしい」
ソウタ 「だからみんな曲にするのかもね」
ソウタ 「この人さ、Makaya Mccraven ↗とかと一緒にやってた。同じ世代の人たち」
ユイが少し笑う。
ユイ 「じゃあ私もいつかサックスで書くわ」
ソウタ 「聴きたい」
次にユイとソウタが聴いたのは...
JR
Joel Ross
ヴィブラフォン — ヴィブラフォンの新星
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